ここまでの経緯と海外版マッチングアプリ
ついに人生の伴侶(となりそうな)相手を見つけた私ですが、ここまでの婚活遍歴をまとめてみます。
ヒンジで会った実際人数 二人
ペアーズで実際会った人数 一人(ポン太くん)
こうして見ると意外と会ってないな、と思いましたが、友達の紹介であと二人に会っていましたので実際会った人数は合計で5人。
実際ポン太くんと付き合い始めるまでの活動期間は約2ヶ月半。
本気で婚活を始めて2ヶ月半で彼氏ができました。
運良くマッチングアプリで彼をゲットした私ですが、知らない人とのメッセージのやり取りや実際会って気を遣って話すストレスを考えると、マッチングアプリ、精神的に結構すり減ります。
それこそペアーズ(海外版)ほど本気度の低そうなマッチングアプリはないのではないかと私は考えます。
実際このアプリのおかげで出会えといて文句を言うのはなんですが。
何がダメかってまずみんなのプロフィール写真のやる気のなさ。
お相手の顔写真が一枚も載っておらず、何事もまず顔から始まる世の中をけなし、そういう女はどうかと思うという前置きの下、写真が見たい方は僕に直接メッセージしてくださいという輩や、自分の好きな物(食べ物や風景)の写真のみのプロフィールだらけ。
肝心のお顔写真が一枚も載っていない男子の多いこと多いこと。
konkatsuincanada.hatenablog.com
あれは絶対ルールを改定すべきです。
こっちは本気で相手を探しているのに(あっちも本気かもしれませんが)、それだけで萎えます。
そして次に海外版ペアーズはその登録者数の少なさから自分が住んでいる地域の人のプロフィール数自体が圧倒的に少ないこと。
出てくるお相手はせいぜい50−80人ぐらいで、その中の何十人もが何百キロも離れたところに住んでいる方々で、”マッチしたところで…”という物件ばかり。
萎えます。
私と一緒にペアーズに登録した出会い系のプロはこのアプリのダメダメさに「やる意味ない」と1週間ほどですぐさまペアーズをアンインストールしていました。
後からポン太くんに聞いて判明したのですが、ペアーズは女子は無料、男子はマッチした相手とメッセージをするのにお金を払わなければいけないらしく、そのせいで例えお相手側からライクを送ってきているにも関わらず、マッチ後何もメッセージが来なかったり、こちらからメッセージしても返信が遅かったり返って来なかったりがあるそう。
つまり男子はマッチするまでは無料で使えるけど実際メッセージをやり取りしたい場合はお金を払わなければいけないので、お金を払ってでも繋がりたい!と思った相手にしかメッセージを返さないそう。
どうりで全員からメッセージが返ってこなかったはずだ…。
実際ポン太くんは女の子をなんとなくブラウズしていただけで、かわいい子がいたらライクを送るという行為をYahoo!ニュースをチェックするかごとくの日課にしていて、相当興味のあるお相手にしかお金を払わないというスタイルだったらしいです。
そういうことだったのか…。
でもそれだったらそんなほいほい気軽にライクを送って来ないで欲しいですけどね。こっちはそんなこと知らずに本気でペアーズ使ってたんで。
男子は無料会員などなく、全員月額を払っているのだと勘違いしていた私は、ライクを一方的に送ってくるだけでなかなかメッセージのやり取りに発展しない日本人男子たちにプリプリしていましたが、ここは日本人男子のせいではなく、ペアーズに一本やられていました。
日本に住んでいたらマッチングアプリも数多くあるし、結婚相談所や街コン、お見合いパーティーまであって出会いに困らないんだろうなーと思っていましたが、先述した通り婚活は精神的ストレスと常に戦わないといけないので婚活を長い期間続けていくのはとてもじゃないですが難しいですね。
ちなみにカナダで婚活と言えばアメリカ資本のマッチングアプリが大半で、有名どころで大体6、7個はあります。
ブラインドデートという相手のことを一切知らないまま当日待ち合わせ場所で会うという危険極まりない方法も昔は主流でしたが最近ではめっきりなくなった模様。(ちなみにブラインドデートでうまくいった例を聞いたことがありません。)
マッチングアプリは男性-女性用に加え、レズビアン、ゲイなどの専用アプリもあり、一度ゲイの友達にゲイ用のマッチングアプリを見せてもらいましたが、みんなかなり積極的で気に入った相手には性的なメッセージをバンバン送り合っていました。
ゲイの世界はストレートの感じとはだいぶ違うみたいで、オープンリレーションシップ(特定のパートナーがいても他の人と身体の関係を持つこと)が日常茶飯事だったりするみたいです。
レズビアンのお友達もレズビアン用のアプリを使って出会っていましたが、女性と初めて関係を持つ女の子(初心者)がアプリを使ってくることが多いらしく、心の準備ができていなかったり、いろいろ複雑らしいです。(完全にその子の主観ですが)
話が逸れましたが、アプリによっては性別、人種、肌や目の色、性格の好みなども選べます。カタログみたいですね。
日本では当然のように公表する年収の欄はありません。
職業を公表したい人はしますがそこも自由で、過去の結婚歴や子供の有無も言いたくなければ言わなくてオッケー。
ただ顔写真は絶対に何枚も登録するのが普通で、ない人なんていません。
写真がなければお相手からの興味が得られないので。
日本の婚活市場では普通な、男子の料金が高くて女子が極端に安いか無料、ということもないですね。男女平等にしないといろいろうるさく言われる土地柄なので。
実際文章にしてみると、このコロナでただでさえ人に会うのが大変な時期に、しかも超難関のペアーズ海外版で彼ができたことが奇跡のように思えます。
婚活ストレスに負けずに、ある程度まで頑張ってみて良かったな、と改めて思います。
来月から始まるポン太くんとの同棲がうまくいって、無事結婚までたどり着ける日が来るといいのですが。
つづく。
手っ取り早く話を進める
ポン太くんの誕生日に交際をスタートさせた私たち。
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ポン太くんが”彼氏”になった瞬間に頑なに閉じていた警戒心という名の私の心のシャッターは完全に開き、”彼女モード”になって彼に甘え始める私。
ポン太くんのぽっちゃりしたお腹がポヨポヨしていて気持ちよく、そこからどんどん愛情が芽生えていくのを肌で感じていました。
やっぱり付き合ってしまえば感情ってついてくるものなのかもしれません。
彼に対する自分の気持ちが日に日に強くなり、顔がタイプじゃないだの、太ってるだの、全く気にならなくなるもので。
ポン太本人が自分に自信満々な男な為、こちらもうまいこと暗示にかかってむしろ彼の顔もだんだんカッコよく見えてきたし、ポヨポヨのお腹も触るたびにアニマルセラピーごとく心が癒されてくる。
付き合うことになったのをきっかけに、かなりオープンに結婚や子供に対しての考えや積極性をさらに話し合うことができ、お互いの意思も確認できました。
どうやら彼も今すぐにでも子供が欲しいと思っているらしく、妊娠しづらい年齢にどんどん近づいていく私からしたら協力してくれる人は大歓迎。
自動的にポン太ポイントアップ。
以前5年付き合っていた彼が結婚してくれないなら別れた方がいいのかと悩んでいた時、何度子供が産めなくなるかもしれないからと説得しても「まだ大丈夫だよ」の一点張りで話を逸らされていたトラウマがありました。
その点ポン太くんは包み隠さずなんでも話してくれる(包み隠さなすぎるところはあります)ことがありがたくてありがたくて。
ほぼほぼ付き合った初日に、近い将来私と子供を持つことに彼は同意をし、そういうことなら来月から一緒に住もう、ということに。
光の早さです。
まだ一夜も共にしていないのに。
ここで結婚が先ではなく子供が先に来た理由は年齢的なこともあり、ゆっくり構えて妊活していたのではいつ子供ができるかわからない。
結婚は60歳になってでもできるけど子供はいつでも産めるわけじゃない!という彼のアツい持論により展開されていきました。
うーん。
言ってる意味は分かるしその通りなのですが、だったらもうとりあえず結婚しようよ〜と結婚したい病の私は粘るのですが、子供を持つことの方がよっぽど責任を求められることだし大事だと豪語する彼は結婚に対してはなかなか首を縦に振りませんでした。
と、この時点で付き合ってまだ1週間とかです。
冷静に考えれば首を縦に振らないのは当たり前の話なんですが。
ただ彼が働く会社の保険がなかなかしっかりしていて、結婚すれば奥さんもその恩恵を受けられるのですが、ただの彼女であれば当然何もない。
そのことについて彼はとても気にしていて、
「結婚していないからっていう理由で俺だけ保険がいいっていうのはフェアじゃないよね。例えば子供ができて、子供はカバーされるのに君がカバーされないのは理に叶ってない。そっかー。やっぱり結婚した方いいかなぁ。」
・・・・そこ?
さすが目の付け所が違うポン太。
理由はどうあれ、結婚について前向きに考えてくれたらいいなぁ。
そんな折、ポン太くんが痛風になりました。
まさにこのイラストのように足がパンパンに腫れ、激痛に苦しんでいたのですが、彼はまだ35歳です。
痛風って普通もうちょっと年配の方がなるはずなのですが、彼の不規則な生活に加え、ビールを日常的に一日3、4本は飲み、マックやサブウェイばかり食べている生活が彼をタヌキに変え、痛風にさせたのです。
付き合って1週間で痛風になり、激痛の足を引きづりながらうちに来た彼を見て私の母性本能がオン。
「私がちゃんと栄養あるご飯とお弁当毎日作るから、やっぱり早いとこ一緒に住もう!」
出会った日にはこうなることなんて予想もできなかったぽんぽこポン太さんと本気で一緒に住むことになりました。
段取りはこうです。
まだ身体の関係を持っていないので、とりあえずそこを確かめてから問題がなかったらすぐにでも我が家で一緒に住み始める
→彼の仕事と私の仕事の時間帯が合わないので日常生活を送る上で問題がないか、や、お互いの生活の“クセ”などを確認
→うまくやっていけそうだったら子作り開始
→その間ポン太くんは結婚について考える
という感じです。
こんなにトントン拍子で話が進むとは思ってもみず…。
明治時代辺りの契約結婚かなんかかなぁとも思えましたが、この頃にはきちんとポン太くんのことが好きになっていたので、うまくいくことを願わずにはいられませんでした。
つづく。
ついに来た
私がポン太さんに近づきすぎないように気をつけながら彼とは逆側のソファの端っこに座ると、ニヤニヤしながら話を始めるポン太さん。
「え、どう思う?俺らのこと?」
ポン太さんとはもう7回もデートしているのに、一度もこういう話になったことはなく、付き合いたいと思っていたにも関わらず自分から告白する意志は皆無だった為頑なに白を切る私。
「え、どうって?」
「俺らもう若くないじゃん?だから時間を無駄にできないっていうか、うまくいかないんだったら最初っから付き合わない方がいいのかなとも思うんだよね…。」
ん?
時間を無駄にできないのは大きく同意だけど、それはなにかい?付き合わない方がいいと思うってことかい?っていうか付き合うことを考えてはいるってことなの?
「いや、付き合うってなったら将来的なものがその先にないんだったら、多分ダメじゃない?って思うし…」
つまりなにかい?結婚を見据えないなら付き合わない方がいいって?
そりゃ私は結婚前提じゃないと次の彼氏を作るつもりはないし、むしろ結婚相手を探す名目で”婚活”してるからそりゃもちろん。
もごもごとはっきりしないやり取りが20分ほど続き、これこそ時間の無駄だし、彼は今日決着をつけないつもりかもしれないと元々足つぼ事件で調子を崩していた私はついうっかり
”私はポン太くんのこと気になってるし、付き合いたいなって思ってる”
と自ら吐露。
あんなにプライドを捨てなかった自分が20分で清水の舞台から飛び降りました。
すると特に驚いたでもないリアクションのポン太さんは
「うん。俺ももちろん好きだし付き合いたいと思ってるんだけど・・・」
どうやら彼は私と付き合ったら絶対結婚しないといけないとプレッシャーを感じているのか、
「俺、結婚する準備できてるかなぁ・・・」
そして続けて信じられない発言をします。
「俺結婚する前にもっと遊びたいと思ってたんだけど、大丈夫かなぁ」
・・・・・・・・・は?
ここへ来て”俺もっと遊びたい”発言。
絵に描いたようにどう反応していいか困っている反応だったであろう私。
おそらく彼は結婚を意識している私を意識しすぎて彼の本心を包み隠さず話してくれているのだとは思いますが、こう言われてしまったらこちとらどうしていいか分からないし、第一引いてしまう。
返す言葉がないとはまさにこのことで、やっと私が絞り出した言葉は
「え・・遊びたいの?・・・じゃあ遊べば・・いいんじゃない?」
すると彼は
「いや、違う。遊びたいわけじゃない。違う違う!」
失言を撤回しようと、言葉を選びながら話し出したその内容は
彼は男の割に子供を作るなら「俺も時間がない」と思っている人で、自分の人生の残り時間も気にしていると説明。
子供ができたら“自分のターンは終わりで、自分の為ではなく子供の為に生きていくから好きなことができなくなる。だからこそ、今日までの人生で自分は好きなことをやり尽くしてきたのか不安になった”という意味だった、とのこと。
特に女の子をはべらかして遊びまくりたいといったチャラ男発言ではないと強めに訂正するポン太。
ほんまかいな。
うーん。本心でそういう意味だったか、ただ焦って言い訳しただけなのかこの時点では定かではありませんでしたが、とりあえず彼は将来的に子供が欲しくて、子供ができたらさらにしっかりしないと、と思っていることは確認ができた(とプラスに考える)。
そして彼が今まで自由に好きなことをやりたいだけやってきたかは私には分からないことなので、私がどうこう言えることではなく、彼が決めるということと、
私も子供を産みたいとか考えると、付き合う前から細かいことを気にしてこの人でいいのかなとかじっくり熟考している時間はないから、付き合ってみてお互いこの人じゃないなと思ったらすぐ別れた方がいいけど、それもこれも付き合ってみないことには分かんない、と私は思う。
と冷静に伝えてみると、
「そうだよね。そうだよね。うん、じゃあ付き合おう!」
と爽やかな笑顔で握手を求めてきたポン太。
その瞬間キツネにつままれたような、してやられた気分にどっと浸りましたが、ここでうーんうーん悩んでいても多分何も始まらないし、やっぱり人は見た目じゃないし!(そこかい)
やけになった私はポン太さんの手を取ることを決め、とりあえず交渉成立。
握手を交わしました。
握手から始まる交際は生まれて初めてです。
握手した直後は本当にこれで良かったのか・・私は騙されていないんだろうか・・・と心臓バクバク。
そんな不安に苛まれていた私に国境の封鎖が解けたかのように急に接近してきたポン太くん。
ここで初めてハグをされ、どうやら晴れてカップルになった私たち。
この日の夜は興奮と不安でなかなか眠れませんでした。
つづく。
核心に迫る夜
ポン太さんの誕生日当日。
うちに招待するのは夜ご飯と決めていたので、この日はあいにくの雨でしたが、昼間の間は今日も洋服改造計画を実施。
ザーザー降りなのに傘を持って来ていなかったナゾな男ポン太を見計らい、相合傘でメイン通りを歩く私たち。
ピタッとくっついて歩かないとお互いの肩がびしょ濡れになることをいいことに初めてポン太さんに急接近した私は、ものの試しに傘を持つポン太さんの肘をちょこっと掴んでみました。
何か言われるかなと思い、彼の反応を見たくてやってみたのですが、
全く動揺することもなければ、なんの反応も示さないポン太さん。
やっぱり彼は私のことをなんとも思っていないのか。それとも恥ずかしくて何も言葉が出てこないのか。
うーん。わからない。この小悪魔作戦は何の答えも生み出しませんでした。
いつも通り彼の洋服を選んであげた後、特にやることもなくなったので前々からポン太さんが行きたいと言っていた足つぼに行くことに。
中国人が経営している激安の足つぼに行くと、私の担当は中国人のお兄さんで、ポン太さんの担当はなんと日本人の若いお姉さんでした。
足つぼなので、なんの仕切りもないソファ席にポン太さんと隣同士に座り、日本人の若い女の子に当たって鼻の下が伸びているポン太さんは嬉しそうに日本語で(大声で)会話を始めました。
・・・なんだろう。
聞いててとてもイライラする・・・。
この時の私の感情は様々な気持ちが複雑に絡み合っている感情で、
まずポン太さんが初対面の人にもフレンドリーに話せるのは十分知っていましたが、馴れ馴れしくタメ口で、しかもプライベートなことを不躾に質問する感じが聞いていて正直気持ち悪いと感じたのが一つ。
この人は女の子だったら誰にでも仲良くするだろうからやっぱり私もそのうちの一人なんだろうなぁとも感じ、寂しくもなりました。
そして私の目の前で他の女の子とこんなにデレデレ嬉しそうに話していて気分が悪かったのも事実。
どう考えても自分がやきもちを焼いている事が判明し、自分はやっぱりポン太さんのことが好きなのかもしれないと思わぬところで再確認。
隣で目をつぶり、あなた方の会話聞こえてません、と足つぼを堪能しているフリを通し続けた私は内心イライラ、モヤモヤ、ドキドキ。
”好きだけど。嫌だな、この人”
というなんとも言えない複雑な気持ちのまま足つぼは終了。
その後は誕生日のお祝いにお酒を大量購入し、ついにポン太さんをうちに招き入れる時間に。
前日に掃除した甲斐あってか、私の家を褒めまくってくれるポン太さん。
前夜に作っておいた前菜でおもてなしを開始し、メインの料理を始める私。
前菜をうまいうまいと食べてくれるポン太さんに、ありがとよ、と思いながらもさっきの足つぼ事件を引きずっていた私はどうもテンションが戻せない。
そんな私のテンションを察し、
「え、なんか、テンション低くない?大丈夫?」
と聞いて来た彼に、迷いましたが思い切ってさっき思ったことを伝えてみることに。
「ポン太くんって初めて会った女の子にいつもああいう感じなの?なんかちょっとやだった。」
と言うと
あたふたと
「え!だめ?あ、そっかー。ごめん、気をつけるわー。」
と意味のわからない返答。
しかしさすがに私がやきもちを焼いたことも察したらしく、
「俺いつもくだらない話しかしないで、自分たちのことちゃんと話したことなかったよね?ちょっと隣座って。ちゃんと話そう!」
やっと話せる機会が巡って来ました。
自分で決めた、ポン太さんの誕生日までに決着をつけるこの瞬間がついにやって来ました。
つづく。
婚活というモヤモヤ
ポン太さんの服装を大幅改善後、急に彼のことが気になり始めて2週間が経過した頃、わたし達の関係をハッキリさせられる一大チャンスがやってきました。
ポン太さんの誕生日です。
その日はちょうど日曜日。私も彼も仕事が休み。
誕生日どうするんだろう、何かあるのかな?と思い、聞いてみたところ「え、会おうよ?」と当然のように言ってきた彼。
もちろん私は予定を入れてなかったので会えるのですが、この「当然感」が嬉しいようでなんだかちょっと腹立たしい。
彼の中で一体私はどういう存在なのか…。
心がモヤモヤし、このままでいいのかと少し焦り始めた私は、彼の誕生日までに彼から何も言われないようだったらここはポン太を友達と見切って次の人にいこうかなと考え始めました。
自分から勝負に出るほどポン太さんのことが好きではない、という理由でプライドをなかなか捨てられない私は、
というのが正直なところ。口が裂けても言えないですが。(言うべきではないし、思うべきでもない。)
上から目線カナダ代表なのは承知の上でしたが、こういう気持ちでいないとなんかの拍子にフラれた時のショック(かつてのフランス人のような惨劇。告白してもいないのにフラれる。)に対応できないというか、保険をかけておきたいというか。
なんというか、疑心暗鬼で臆病になっているのは分かっているのですが、それもこれもポン太さんがハッキリしないせい(にしたい)。
話を戻しますが、誕生日に何をしたいか一応ポン太さんにリクエストを聞いてみたところ、返ってきた答えは
「弁当作ってくんない?」
え?は?
毎日職場に自分でお弁当を作って持っていっている彼は、彼の誕生日に私にそのお弁当を作って欲しいと言ってきたんです。
オフィシャル彼女に頼むようなことを私に頼んで来た彼に、恥ずかしさと戸惑いを隠しきれませんでした。
しかし彼の仕事は朝早い上に前日に作ったとしても家が離れているので渡すのも容易ではない。そもそも誕生日は日曜日でお弁当必要ないし。第一初めて食べさせる手料理は自分の評価にも直結するので、せめてあったかいまま食べて欲しい。
などを3秒以内で考えた結果、恥ずかしさが勝ってしまったこともあり、ちょっとかわいそうでしたがお弁当リクエストを却下した私。
結局彼の誕生日に会うことが決まっていただけで何をしてあげるかは決まらずじまいでした。
そこで私の友達に状況を説明しアドバイスを求めたところ、“家に呼んで手料理作ってあげたらいいじゃ〜ん”と当然とも言えるアドバイスを享受。
やっぱりそうだよな、弁当作って欲しい = 私の手料理食べてみたいってことだよな = (試されている)
ここは清水の舞台から飛び降りて彼の誕生日のために一肌脱ぐか。
それにしてもポン太さんから手を出されたことはおろか、それらしい質問すらされたこともないのに、自分(女の子)から“うち来る?”って聞くの、なんか、痴女っぽくて恥ずかしい… と思ってしまう昭和生まれ37歳。
聞いたところで「え、いいよ、家に行くのはやめとく」とか断られたら逆にどうしようとまで考えましたが、普通に考えて誕生日にご飯作ってあげるって言われて喜ばない人間はいないだろうと、彼の誕生日前日に意を決して私の家に誘ってみることに。
すると
「え?いいの?」
断られなくてよかったーと思いつつ、
“嫌だったらどっかレストランに食べに行こ?”
と可愛げのないことを口走ってしまう37歳。
彼のことをまだ完全に“好き”ではないからといってまたもや “あたしのこと好きじゃないなら別にそれでいいし” 風の小学生的な態度に出てしまう自分。
アァ本当にかわいくない。
切羽詰まった婚活は「結婚すること」がゴールになってしまって、相手のことを見誤ってしまったり、相手に対する自分の気持ちが分からなくなったりしがちですが、ここまで保険をかけながら、石橋を叩きながら渡る私、どうなんでしょう…。
石橋を叩きすぎて割りそうです。
石橋の先に私が見ているものが”結婚”というゴールなのか、それがわからないうちは絶対に渡りたくない、という姿勢を見せている自分。
というかそもそも結婚ってゴールではなく始まりってよく聞くし…。
モヤモヤは晴れることを知りません。
私があと10歳若かったら焦りもなく、もっとしっかり本質を見極めようとしていた気もしますが、若いと若いで見極めるポイントが違うような気もする。
話がごちゃごちゃしてきてしまいましたが、ポン太さんとの決着をつけるため、彼の誕生日前日に部屋中キレイに掃除し、深夜まで料理の下ごしらえに精を出す私なのでした。
つづく。
未来の旦那さん候補④
未来の旦那さん候補④
ポン太さん
⚫︎ 見た目: 顔は全くタイプではないがブサイクではない。
⚫︎ 職業: ガテン系体力仕事。まぁまぁ稼いでいる。
⚫︎ 体型: ポッチャリ。2、3年前と比べて体重10キロ増。そのため洋服が全てピチピチだったが改造計画により服装をチェンジさせてからは見た目が大幅に改善。
⚫︎ 会話: 日本語なので言葉の心配は無し。話す内容は基本的にくだらないことが多いが人生における経験値が高いため意外と知識豊富。将来のことや貯金などもしっかり考えている。自分の年収まで包み隠さず喋るタイプ。
⚫︎ 結婚・子供について: どうやら結婚もしたいし子供も欲しそう。(子供をどういう風に育てたいかなどの質問までされた)
ポン太さんとは初めて会った日からコンスタントに週一ほどで会い、一緒に買い物したりご飯を食べたりしているうちに彼も自然と私の未来の旦那さん候補に浮上。
というかポン太さん以外の今まで出会った候補者はみんな撃沈しているので、現段階では競争相手はおらず彼一人ですが…。
見た目も雰囲気も喋り方も全くタイプではない彼がなぜ候補者として浮上したかというと、第一に見た目と違い将来のことをちゃんと考えていたり、貯金をしていたり、何より会うたびに彼の優しさを感じられるところが大きなポイントでした。
つまり見た目と中身のギャップがオンナゴコロをくすぐったのです。
そして見た目通り(実年齢以上に)フットワークが軽いところも高ポイントで、ある日の夜(9時半頃)に私がラーメン食べたいなぁとつぶやいたところ、
「今から行こう!」
と車をぶっ飛ばしてウチまで迎えに来てくれ、夜な夜な一緒にラーメンを食べに行ったことがありました。(ちなみに初めて会った日に行列に並んで食べたラーメン屋と同じところで夜10時でも並びました。)
私が誘ったわけでも、そうしてくれることを期待したでもないのに「行きたいなら連れてく!」というポン太さんの姿勢がとても男らしく、感激しました。
その日ラーメンを食べ終わったのが夜10時半。
ポン太さんは次の日朝6時起きなのに、わざわざダウンタウンまで出てきてくれてラーメンだけを食べ、ウチに送ってくれた後そのまま帰っていった彼を見て、愛おしい気持ちに包まれました。
こんなに何度も会ってるのに手を出してくることもなければ一歩踏み込んでくることもなく、無条件で会ってくれているというか、友達ラインを越えてこない彼を逆に意識し始めてしまいました。
今思うと早い段階で彼が「家行ってもいい?」とか「うち来ない?」とか言っていたらとっとと会うのをやめていたように思います。
男子の皆さん、お気をつけください。
はたまた違う日は彼が大変自分に自信があることも判明。(顔カッコ良くないのに)
彼は35歳になるまでに人の10倍ぐらい色々と大変な経験を積んでおり、それらを乗り越えてきた経験から
”自分はちょっとやそっとのことではへこたれず、何が起きても乗り越えられる自信がある”
と言っていました。
そこから来る自信なのかは分かりませんが、自分の内面だけでなく外面にも自信があると豪語し、自分のことを
”かっこいいと思う”
とまで。(!!!)
これには正直驚いてしまい、
”え、どの辺がかっこいいと思うの?笑”
と恐ろしく失礼なことを言ってしまった私。
そんな失礼な私に対しても
「え?俺は自分で自分のことかっこいいと思うからそれでいいんだよ」
と、負けずに肯定し続けるポン太さん。
本人も言っていましたが、下手したらただのナルシストになりうるんですが、彼の顔が全くナルシスト顔ではないのでそんな雰囲気は皆無。
ここは善し悪しや好みがかなり分かれるところではありますが、あまり自己肯定感が高くない私としてはこういう自信家がとても気持ちよく、憧れる存在である為、ここも自分としては高ポイントでした。
自分が下を向いている時に違う視点からポジティブな空気をくれるのではないかと容易に予測でき、こういう相手はまさに私が探してきた相手。
自分に自信なさめな私に対して
ポン太改造計画①
深夜のデニーズデートで決まったポン太さんの洋服改造プロジェクト。
あの日から1週間後の日曜日。
有言実行大学生(大学生ではない)ポン太は待ち合わせ場所(洋服屋)に30分遅れて車で登場。
30分の遅刻にはかなりビビりましたが、有言実行の彼が買い物デートをブッチするはずがないと確信していた私はポン太さんが到着するまでに彼に似合いそうな洋服をかき集め、彼の到着と同時にそれらを提示。
私がかき集めた服は全て私好みの服。
彼の持っている服装とは180度違うタイプの服たちなので、きっと”これはヤダ、あれはヤダ”になるだろうなぁと内心思っていたのですが、予想を裏切り
「わかった、全部着てみる!」
とめちゃめちゃ素直なポン太。
いい!とてもいい!
チャリンチャリンと音が聞こえるほどにポン太さん(私の中で)大量のポイントを獲得。
スタイリストとしてはとてもやりがいのあるクライアントで、つい嬉しくなり10着ぐらい着させた私。
サイズが合わなかった、腹が目立つ、など以外は私が選んだ服が期待通りというか期待以上に似合っていたポン太さん。
試着室でその想像以上の仕上がりに、軽く50%増しになり自信がついたポン太さんは
「この服着て帰ります」
をし、この1店舗だけで4着購入。
自分が勧めた洋服を文句も言わず喜んで買ってくれるポン太さんを見て私のテンションは爆上がり。
・・・だったのもつかの間、この店に約1時間半滞在後(!)二人で車に戻るとフロントガラスにパーキングチケットがひらり・・・
駐禁とられました・・・。
予想以上の買い物時間の延長で、つい駐車場代の延長をすることを忘れていたポン太さんは人生初のパーキングチケット($47)にショックを隠しきれない様子。
(当然ではあるのですが)ここでグダグダ言って落ち込みまくり不機嫌になる男を過去に見てきたましたが、ポン太さんは何回か
「うお〜!」
と文句を言った後は
「もうもらっちゃったものは仕方ない。払い忘れたの自分だし」
とスカッと次の洋服屋に向かっていました。
いい!とてもいい!
今日の彼は”ネチネチ言わない男子ポイント”をも獲得。
この後も次々洋服屋に入っては何着も試着させ、1店舗目と同様、名前の通りポンポン買っていくポン太。
いい!すごくいい!
みるみるかっこよくなっていく(私の好みの服装になっていく)彼を見て、自分は彼の彼女なのかと錯覚したほど見た目が大幅改善されたポン太さん。
さらには彼の素直でさっぱりした性格や行動から獲得したポイントを加味すると今日だけでおよそ7割り増し。
今までが10点だとすると(失礼にもほどがある)もはや今日で70点。
から
グレードアップして
に化けた感覚。
この日はお昼頃から会って夜7時まで買い物したのですが、行こうと思っていた洋服屋さん全てには行けず、次の日も彼の仕事が終わる夕方から買い物に付き合ってほしいとお誘いがありました。
彼曰く自分では何を着ていいか分からないので、女の子に洋服を選んでもらう方がとても楽で快感で楽しいらしいです。
確かに彼が「これどう?」と選ぶ洋服は全て却下対象のダサダサ物件。
「だめ」
と容赦なくバサバサ切り落とす私に多少なりとも不快な気持ちになっていたかもと少し心配していたのですが、そんなことは全くなかったらしく、むしろ
”それぐらいハッキリしてる方がいい”
とまで言ってくれたポン太さん。
翌日もポン太さんの仕事が終わった後に今度は私がポン太さんの住む町まで出てさらに服を買い込むこと4着。
買い物が終わる頃に
「来週の休みも空いてる?動物園とか行きたくない?」
とデートらしいデートのお誘い。
なんだかんだ毎週会っているし、ご飯はだいたいポン太さんが払ってくれてはいるけれど、友達感の雰囲気はかなり強く、一体彼が私たちの関係をどう思っているかは全くの未知数でした。
出会いこそマッチングアプリですがお互いがお互いのことをどう思っているかということに関してはなんとも話を始めにくいもので。
ポン太さんは大学生キャラなので会えばいつもくだらない話ばかり(失礼)で核心をついた会話は皆無。
こちとら必死に”婚活”ですが、あっちはもしかしたら婚活のつもりは全くなく、友達が欲しかっただけ、なんていう可能性もなきにしもあらず、と思うとそろそろハッキリとした方向性を決めていきたいところ。
ちょっとずつポン太さんのことが気になり始めてはいるものの、もしポン太さんが私のことを全くなんとも思っていなかったら…と思うとブレーキを踏んでしまう慎重派な私。
元々そんな性格ではないのですが、37歳にもなるととにかく時間を無駄にしたくなく、結婚に確実につながる相手(確実に自分のことを好きになってくれる相手)を本能的に探してしまうもので。
これからどうなっていくんでしょうか。
つづく。