ポン太さんとの初デート②
ラーメン屋に到着した私たちを待っていたのは店へと続く行列。
ここカナダでもラーメンは大人気でほぼ毎日行列が絶えません。
この日は6時過ぎに着いたにも関わらず私たちの前に5組ほど並んでいました。
並んでも食べたいかお互い意思を確認し(二人とも並んでも食べたい)列に並ぶ私たち。
ノリで並んだのはいいけれど、この人とは今日初めて会ったばっかりだったとふと我に返ると外で立たされながら話す状況になんだか気まずい思いがしてくるもので。
付き合いたてのカップルがディズニーランドで3時間待つ間にどんどん気まずくなっていく状況よりも今日会ったばっかりの人とラーメン屋に並ぶ今のこの状況の方がよっぽど気まずい…。
この日はとても寒く、外気温3度。
あと何分待てばいいんだろうとよぎった瞬間にポン太さんが
「寒いですよね?僕お茶買って来ましょうか?」
・・・え!
予想外の優しさ発言に思わず言葉を失う私。
もちろんここは遠慮をし、”大丈夫です大丈夫です、きっとそんなに待たないだろうし”と言ったにも関わらず
「いや、買って来ます!」
と列を抜けた彼。
え、なに、この人、優しいの?
寒い時にジャケットを脱いで貸してくれる男子が最高峰だと思ってましたが、出会ってまだ間もない期間でジャケット戦法が使えない時はお茶っていう手があったか!
何度も言いますが見かけによらず(本当に失礼)やりよるポン太。
コロナで席数を激減させているラーメン屋の列は微動だにせず、ポン太さんが近くのカフェで熱々の緑茶を買って戻ってきた時も私たちの順番は全く変わっていませんでした。
お茶も手に入ったことだし覚悟を決めてポン太さんの過去の恋愛について聞いてみると、なんと彼前回(約一年前)の彼女は20歳の子だったらしく…。
一年半付き合って別れることになったそうなのですが、これを聞いて彼が大学生の雰囲気を醸し出している理由になんとなく筋が通りました。
しかも付き合い始めた当初、彼女はまだ19歳。ポン太33歳。
犯罪レベルの若い彼女をゲットしていたなんて、やっぱりポン太はタダモノじゃない。
でももう私は37だし、19歳の子は惹かれても37歳からしたらポン太さんの魅力を理解するのはなかなか時間がかかるかもなぁ…。優しいのは優しいけど。
と、ここでようやくラーメン屋に通された私たち。
ハッピーアワーでも散々飲み食いした後のラーメン。
いつもは必ず替え玉する私ですが、今日は十分食べたしやめておこう、と踏んだにも関わらず、
「替え玉しないんですか?しましょうよ。すみませーん、替え玉ください」
と勝手に私の替え玉を頼む彼。
強引ではありましたが、いっぱい食べる人(食べさせてくれる人)は私も大好きなので、なんかちょっと嬉しかった私。
なんとこのラーメンのお会計もポン太さんが済ませてくれました。
またまたポン太株上昇。
さすがにラーメンでお腹パンパンになったのでこの日は終了。
結局初めてのデートで6時間近く一緒にいました。
家に帰るとポン太さんからLINEが。
「すごく楽しかったです!また行きましょう!」
うん、期待してなかったからか(失礼)私もとっても楽しかった。
狙ってか狙わずかは分かりませんが、自然に女の子に優しくできたり、気を遣えたり、お会計の時は男らしさを見せたり、ジャイアン的見た目からは想像できないそのギャップが、いい意味で私にサプライズを与えてくれました。
実際男性として興味があるというよりかは人としてもうちょっと知りたいと思う感じでしたが、少なからずまた会いたいと思わせる何かがポン太さんにはあるんですね。
実はこの時ヒンジで一人の白人カナディアンさんとマッチしていて、かなりいい感じにメッセージをやりとりしていました。
写真で見る限りは顔や服装は結構好みだし、何よりメッセージの返事がポンポン返ってくるのでサクサク話が進んでとても気持ちよくやりとりができていました。
お互いに、会ってみよう!というノリになり、彼がレストランを予約してくれて(これは今までにない快挙)会う約束をしていたんですが、この彼はルームメイトと住んでいるのでカナダ政府が始めたコロナ対策(一人暮らしの人同士以外は会ってはいけない)により、彼と会う計画が見事に絶たれました。
ちゃんと政府の言うことを聞くところはポイント高いんですが、ぶっちゃけ会ってみたかった〜。
本当はそのカナディアンの方に大いなる期待を寄せていてポン太さんには微塵も期待を寄せていなかったんですが、人生ってそうゆうもの。
心の中ではポン太さんじゃなくてこのカナディアンと会ってみたかったよ、とかポン太さんに会う前は思っちゃっていましたが、実際会ってみたら彼は彼でとてもいい人だし(終始上から)、誰と波長が合うとか恋愛が始まるとかは会うまでは本当全く分からないものです。
この時点でポン太さんと次に会う約束はしなかったので本当にまた会うことになるかは確かではありませんでしたが、この日から3日後に彼から
「今から飯行きません?」と大学生ノリなLINEが届き再び会うことに。
2回目のデートでは居酒屋に行き、敬語から完全にタメ口になったポン太さんは大学生感をさらに増長させ、これから自分でビジネスをしていきたいと夢を語っていました。
ポン太さんはまぁまぁ稼げている仕事をしているのですが、一生今の仕事をするつもりはさらさらないらしく、暇さえあれば今後の起業について考えているとのこと。
この歳で会ったばっかりの私にこんなにキラキラ夢を語れる人もすごいなぁと。
夢を語る男はかっこいい場合とめちゃくちゃダサい場合大概どっちかなんですが、ポン太さんはなぜかどっちでもなくちょうど中間。
かっこ良くもなく、ダサくもなく。
本当に実行に移せるかどうかは別にして、仕事や将来にちょっと熱めの何かがあるのはないよりはいい、ということで0.5ポイント獲得。
この日のお会計もすっと立ち上がってどこかに消える(店員さんを見つけて払ってくる)スマートペイスタイルで全部払ってくれたポン太さん。
うーん、未だに外見だけには全く惹かれないけどなんだかポン太さんちょっとずつ気になってきたかも。
つづく。