過去に囚われる
元彼にメールを返さないといけない、と思うだけで恐ろしく心が沈み、めちゃくちゃ嫌な気持ちになるのに、会わないといけないと思うと吐きそうになることに気づいた私。
一体どうするべきなのが正解なのかアドバイスを乞うべく、自分の友達や元彼の友達に相談。
するとみんながみんな口を揃えて
”会わなくていい。会うべきじゃない。別れたの一年前なのに今さらその相手に助けを求めるなんて弱すぎる。自分で解決しろ。第一妊娠してるのにあり得ない。”
とのこと。
うん、だよね。
みんなの意見を聞いて、やっぱり私が思っていたことは間違いではなかったんだと安心したフシもありましたが、反面、”会わない”を貫き通すことによってもし彼が自殺でも図ったらどうしよう・・彼今完全に頭おかしいし・・という不安がよぎりました。
友達によっては
”そうなったらそうなったでしょうがない。あなたのせいじゃないよ。”
という強い意見もありましたが、もしそんなことになったら残りの私の人生、でっかい十字架抱えて生きていくことになるじゃん・・(恐怖)と、私も私で行きすぎた妄想が膨らみ始め、こちらも精神的に追い詰められていきました。
しかし私がウダウダ悩んでいる間、SNSで自分の心情を吐き出していた彼が周りの友達から心配されて、いろんなところに旅行に連れて行かれていたのを私は知っていました。
SNS場でその旅行の写真もアップされていたし、これはもしやもう彼大丈夫なんじゃないか?と期待し、
勇気を出して「まだ私に会う必要ある?」
と彼にメッセージしてみると
「イエス。頼むから会ってほしい。〜月〜日以降ならいつでも会えるから。」
と日付指定のリクエスト。
旅行三昧で忙しいんじゃんよ・・。私だって暇じゃないんだよ・・。
この返答で再び引いた私は
意を決して
「悪いけどやっぱり会えない。私が今一番優先に考えないといけないのはお腹の赤ちゃんと旦那さんで、あなたじゃない。」
とハッキリとメールしました。
すると
「こんなに懇願してるのに、君は僕を助けたくないんだ・・」
と心情に訴えかけてくる返答。
すごくずるい。
私の性格だったら押せば会ってくれるとおそらく確信していた彼。
別れたとしてもまだどこかで気持ちが繋がってるはずと信じている彼。
自己中すぎるだろ・・。
会ったところで私は絶対にあなたを助けられないし、心情的に本当に会いたくないって言ってるのに・・。
もう何言ってもダメだ、この人・・。
この彼の一言で精神的にフラフラになりながら本当に仕方なく会うことを了承。
負けた気しかしませんでしたが、このまま頑なに会わずにいたら彼がどうなったのか、きっと将来的に自分の中での不安要素になり兼ねないと思い自分を説得した感もあります。
会うまで何日も日数があると”嫌だな〜会いたくないな〜”と日に日に私の心が沈んでいくのが分かっていたので会う日を2日後の朝、1時間限定で、と設定。
2日後の朝
彼はうちの玄関前に停めた車の中で待っていました。
どうやら私を車でどこかに連れ出したかったであろう彼。なかなか車から降りてきません。
運転席に張り付いている彼を覗き込み、出てこいと目で訴える私に屈し、二人分のお茶を手に持って渋々車から出てきた彼は3ヶ月前よりもかなり痩せていました。
海が見えるところまで歩いてベンチに腰掛け、一息ついた後に
「・・どこから始めたらいいんだろう。」と言いながら話し始めた彼。
彼が知りたかったことは私たちが別れた後私がどういう気持ちで、具体的に一体何をして今に至ったのか、一体どうやって気持ちを整理して前に進んだ(進んでしまった)のか、旦那さんのどこが好きなのか、どういった成り行きで結婚、子供を作ることになったのか、など私がスパッと彼を忘れて前に進んで本当に今一体どういう生活をして、本当に幸せでいられているのか、この生活が本当に私が望み続けた未来なのか信じられない様子でした。
彼に少しでも淡い期待を持たせてはいけない、と淡々とブレることなく質問に答える私を見て
「You don't love me anymore?」
と子犬のような目で聞いてきた彼に対して
何を言ってるんだ、こいつは。と呆れる私。
女の人はスパッと切って男の人は引きずる、と言うのは本当らしいです。
それもこれも彼の行動がスローで、このまま彼が仕事に就かず、関係的にも次のステップに進めないなら別れて他の人を探す、と涙ながらに何度も警告していた私をにわかに信じず行動を起こさなかった彼の自業自得とも言える結末なのです。
冷たい言い方ですが、別れてから一年近く経った後に話がここまで大きくなるなんて全く想像しませんでした。
逆を言えば今後私とポン太くんがうまくいかなくなって、やっぱり元彼に戻ればよかった、と思う日が来ないとも言えませんが、自分で選んだ決断を過去に戻って覆すことなんて誰にもできないわけだし、その時はそれがベストな決断だと思ったわけで。
彼もそのことは痛いほど理解しているはずですが、頭と気持ちが同じベクトルにならないから精神的に苦しんでいるのでしょう。
彼はこれから仕事を再開しながらカウンセリングと投薬を受けて少しずつ回復に向かう予定みたいです。
一日でも早く彼がこの苦しみから解放されることを願うばかりです。
つづく。